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東京科学大学 工学院 経営工学系の院試・合格体験記|対策とスケジュール

東京科学大学 工学院 経営工学系の院試・合格体験記|対策とスケジュール

合格体験記
2026.03.22AcadeMina編集部

合格体験記〜東京科学大学経営工学系〜

2024年夏入試を受験し、東工大の経営工学系に合格しました。

院試は情報戦なので、受験の際にさまざまなところから得た情報を記事にしたいと思いました。

この記事が少しでも皆様の役に立てれば幸いです。

私について

まずは、簡単に自己紹介をしておきます。

  • 東京工業大学の工学院機械系に在学
  • 研究室ではシリコン製流体デバイスの研究
  • 3年の夏からコンサル分野に興味を持ち、長期インターンを開始
  • 4年で経営工学系を目指すことを決め、勉強を開始

軽くまとめると、このような感じです。

「外部向け」と書いているのに内部生ではないか、と思う方もいるかもしれません。

そこでまずは、東工大の入試方式について簡単に説明します。

東工大の入試方式

東工大にはA日程とB日程があり、ここを理解すると立ち位置がかなり見えやすくなります。

A日程

ほとんどが成績の良い内部生向けです。

経営工学系では、明確に東工大の成績でGPA3.0以上という基準が設けられています。

B日程

大学による区別は行われません。

専門科目+TOEICで判断されるため、内部生と他大学の学生は対等な戦いになります。

A日程の基準は、他の学科の学生にも適用されます。

他大学の学生の場合は、それぞれの大学のレベルから東工大の成績に換算されます。

ただし、そこに明確な基準はありません。

そのため、A日程になればラッキーくらいに考え、B日程の対策を進めるのが無難だと思います。

私は機械系の成績でGPAが3.0を超えていませんでした。

そもそも機械系の平均GPAは、経営工学系の平均GPAより低めです。

それでも換算は行われず、東工大では一貫して3.0という基準が設けられています。

そのため、私はB日程を受験しました。

B日程では大学による区別がないので、内部生と他大学の学生は完全に対等です。

この記事で話すこと

ここからは、受験前に気になりやすいポイントを順番にまとめます。

  • 出願
  • TOEIC
  • 専門科目と参考書
  • 口述試験
  • 合格ラインと難易度
  • 過去問の解答解説(自作)

なお、出願・TOEIC・難易度に関しては、研究室見学などで教授や先輩から聞いた情報です。

公開情報ではありませんが、信憑性は高いと思います。

出願

出願時に気になるのは、何が合否に関係するのかという点です。

出願の際に提出するもので、合否に関係するものは主に3つです。

  • 学部成績
  • TOEIC
  • 研究計画書

学部成績に関しては、上で述べた通りです。

GPAによってA日程かB日程かの判断に使われるだけで、その判断後は合否に関係しません。

TOEICに関しては、例年、専門科目200点に対して50点換算で点数に加えられます。

研究計画書に関しては、正直、真面目に書けば書類で落ちることはないです。

ただし、口述試験で研究室を決める際に深掘りされます。

志望する研究室がある場合は、その研究室の研究内容をしっかり調べ、その内容に沿って書くのがよいです。

志願前に教授へ研究室見学のアポを取り、最新の研究内容を聞いておくと、論文を探して読む手間も減らせると思います。

TOEIC

TOEICに不安を感じる人は多いですが、個人的にはそこまで気にしなくてよいと感じました。

一言でいうと、何点でも気にしなくていいです。

他大の方で勘違いしている人もいますが、東工大生は英語が得意というわけではありません。

大学受験時の英語の配点が低く、共通テストも足切りにしか使わないため、入学時から英語が強い学生ばかりではないです。

そのため、教授いわく、内部生の平均点は600点台です。

そのうえ、B日程を受ける内部生は、成績が低い学生たちなので、平均はさらに低いと思われます。

また、配点を見ても、専門科目200点に対してTOEICは50点換算です。

たとえTOEIC500点程度しか取れなくても、満点を取った人との差は20点程度です。

そのため、TOEICの勉強に時間を使うくらいなら、専門科目に時間を使ったほうが効率的だと思います。

専門科目と参考書

経営工学系の専門科目は変化してきましたが、今は数理科目の対策が中心になります。

経営工学系の専門科目は、年々減っています。

以前は4科目ほどありましたが、数年前から経済学と数理の2科目選択制になりました。

さらに2024年からは、数理科目の1科目になりました。

ただし、数理科目は大きく5分野に分けられます。

  • 線形代数
  • 微分積分
  • 確率・統計
  • 基礎数理
  • 数理工学

以下、それぞれの分野について、参考書と勉強法を紹介します。

線形代数

線形代数は、そこまで難易度が高くありません。

基礎的な教材を何周かすれば、合格点は十分に取れると思います。

最初のおすすめ教材はこちらです。

大定番のマセマシリーズです。

このレベルの問題が解ければ、合格ラインは押さえられるでしょう。

ただし、証明問題が頻繁に出ることがあります。

内容は一次独立や部分空間など、ある程度決まっています。

それでも、証明に慣れていないと解けません。

マセマは証明問題が少ないため、証明を鍛える参考書も紹介します。

こちらの参考書は証明が豊富で、これが解ければ東工大の線形代数は満点を狙えます。

付属の解説はやや簡潔ですが、詳解が公式サイトに載っているので分かりやすいです。

微分積分

微積は小問が基本で、内容も基本的なものが多いです。

そのため、線形代数と同様に、この2冊を解けるようになればよいと思います。

一回で完璧にするのではなく、短期間で一周することを何度も繰り返すイメージです。

確率・統計

確率・統計に関しては、確率と統計の両方がしっかり出題されます。

そのため、どちらも対策が必要です。

難易度は、線形代数や微積に比べると少し高めです。

当然、マセマレベルは一周しておきたいです。

ただ、少しレベルが足りないのと、統計で網羅していない範囲があります。

加えて、不偏分散などの表し方が教授の流派と違う点もあり、少し不安が残ります。

そのため、講義でも使われているこの参考書がおすすめです。

これをマスターすれば、合格点は十分に狙えます。

基礎数理

あまり馴染みのない科目かもしれません。

これは他の学科ではあまり見ない、経営工学特化といってよい科目です。

基本的には、定理を用いた証明問題がメインです。

暗記要素もあり、個人的には一番厄介かもしれない科目でした。

この科目の対策は、講義でも使っているこの教材以外ないと思います。

逆に言えば、しっかり読み込めば満点を狙える科目です。

ちなみに、教材内の例題は長くて難しすぎるので、解かなくても大丈夫です。

過去問の内容さえ理解できれば、満点を取れます。

数理工学

この数理工学は、一番単純そうに見えて、一番裏切られた科目です。

この教科書が出題範囲ですが、さまざまな数学分野を浅く広く扱っています。

具体的には、微分方程式、ラプラス変換、フーリエ変換などです。

ただ、数理が試験科目に加わったのは平成28年からです。

過去問を見ると、私が受けた年の前年まで、出題範囲は微分方程式のみでした。

そのため、私は微分方程式だけを対策していました。

すると、9回目の数理にして初めてラプラス変換が出て、かなり焦りました。

ただし、難易度は高くなく、誘導に従えば解ける内容でした。

そのため、微分方程式を最優先に対策しつつ、ほかの範囲も少し見ておくことをおすすめします。

以上が専門科目の対策です。

大問が4〜5問に対して、試験時間は60分なので、かなりスピードとの戦いになります。

口述試験

筆記後の口述試験は、合否だけでなく研究室配属の観点でも重要だと感じました。

口述試験は、おそらく成績順に面談室へ呼び出されます。

その際に、第一志望の教授を中心に、志望理由などを深掘りされます。

私はかなり詰められて怖かったですが、それは内部生にだけらしいです。

そのため、他大の人は安心してよいと思います。

一方で、成績順に研究室が決まっていくので、すでに希望先が埋まっている人は、希望しない研究室に回される可能性があります。

口述試験に関して、大学は公表していません。

ただ、口述に進めた人は、ほぼ確実に合格になると聞いています。

よほど悪態をつかない限り、という印象です。

そのため、希望の研究室に進めるかは別として、筆記を突破した段階で入学自体はかなり近いと思ってよいです。

合格ラインと難易度

倍率は高めですが、対策の方向性が明確なので、努力次第で十分に届く入試だと思います。

最後に、難易度について話します。

率直に言うと、頑張れば誰でも合格できるレベルだと思います。

筆記の合格点は、五〜六割と言われています。

経営工学の倍率は高く、近年は常に2倍を超えています。

ただし、忘れてはいけないのが、合格者の半分弱は内部のA日程で占められているという点です。

そのため、B日程の倍率はさらに高くなります。

一方で、経営工学系は、院進率が9割近い東工大の中ではかなり院進率が低く、学部就職が多いです。

そのため、優秀な学生が院試競争から抜けることもあります。

加えて、内部生のB日程合格率は半分近いそうです。

これは、東工大生が外部生に比べて、そこまで院試に本気で向き合っていないケースもあることを示していると思います。

だからこそ、問題もそこまで難しくない経営工学系は、努力すれば十分に合格の余地があります

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